春浦院 由来

開祖は妙心寺319世、空山宗空(真空円妙禅師)。

空山が永井佐渡守尚主の浄財によって、荒廃した子院を再興し現在の姿に成ったとされる妙心寺境域外の塔頭。

一説に依れば寛永5年(1628年)創建にして、万治元年(1658年)に再興とあるが、

この年次では空山は未だ幼少の身にあり正確な創建年次は未詳である。

空山宗空には多くの帰依者がおり、一柳末礼、横田重房といった有力な外護者により寺観が整備され、

「虎渓の三笑」を模して創られた庭園が知られていた。

現在の寺観は、ありし旧寺域の三分の一を残すに留まっており、また庭園も失われてしまっているが、

室町時代由来の「福富草子」(重要文化財)を有している。